🇮🇹 サルデーニャ州(Sardegna)

🏝 地理・概要
• イタリア半島の西、ティレニア海に浮かぶ島。
• 地中海で2番目に大きな島(1位:シチリア島)。北にはフランス領コルシカ島。
• 古代より人の往来が盛んで、ブドウ栽培は紀元前2000年頃、フェニキア人により伝来。
• 美しい海岸線を持ち、**「コスタ・スメラルダ(Costa Smeralda)」**などは国際的な高級リゾート地。

• シチリアとは対照的に外部文化の影響が少なく、閉鎖的で独自の文化を維持。
• 1970年代のイタリア・ワイン改革(モダン化)にも大きく影響されず、伝統品種を守ってきた。
🍴 食文化
• 名産:イワシ(sardine)(語源も「サルデーニャ=Sardinia」から)
• ボッタルガ(カラスミ), ロブスター, コヒツジ(アニェッロ), 魚介類が豊富。

• 調理法はシンプルで、炭火焼き・グリルなどが中心。

• 羊肉料理が多いため、赤ワインの需要・生産量が高い。

🍇 主なブドウ品種
白ブドウ
• ヴェルメンティーノ(Vermentino)
• ティレニア海沿岸(トスカーナ、リグーリア、コルシカ)でも栽培される。
• 爽やかでアロマティック、ミネラル感が特徴。
• ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ(Vernaccia di Oristano)
• 酸化熟成型の長熟白ワイン。
• フロール(産膜酵母)熟成を行う独特のスタイル。
• ナスコ(Nasco)
• カリアリ周辺で栽培。甘口・芳香性ワインが多い。
黒ブドウ
• カンノナウ(Cannonau)
• サルデーニャを代表する黒ブドウ。
• グルナッシュ(Garnacha)と同品種。
• 力強くスパイシー、アルコール度数高め。
• カリニャーノ(Carignano)
• フランス南部やスペインではカリニャン(Carignan)。
• カリニャーノ・デル・スルチス DOCが代表産地。
• モニカ(Monica), ジロ(Giro) も伝統的品種。
🏅 主なDOCG・DOC
• Vermentino di Gallura DOCG
→ サルデーニャ唯一のDOCG。北東部ガッルーラ地区。
→ 海風由来の塩味とアロマティックな白。
• Cannonau di Sardegna DOC
→ 島全域で生産。濃厚でスパイシーな赤ワイン。
• Carignano del Sulcis DOC
→ 南西部スルチス地区のカリニャン主体の赤。
• Vernaccia di Oristano DOC
→ 酸化熟成+フロール熟成を行う伝統白。
→ 長熟タイプで、ナッティかつドライな個性。
• Malvasia di Bosa DOC, Nasco di Cagliari DOC なども存在。
🌿 特徴まとめ
• 島独自の文化・品種を保持する「孤高のワイン島」。
• 外来品種に頼らず、地ブドウ中心の個性派ワイン産地。
• フロール熟成という珍しい製法を持つ(ベルナッチャ・ディ・オリスターノ)。
• 料理との調和が高く、特に赤は羊肉・ジビエに最適。