【① ウィーン（Wien / Vienna）】州
世界唯一の“商業的ワイン生産を行う首都”
• 畑がある3地区：
ハイリゲンシュタット、ヌスドルフ、グリーンチング
• 市内から30分ほどで到着でき、**ホイリゲ（ワイン農家が営む居酒屋）**文化が強く、市民の日常。
● ウィーン料理の背景
• ハプスブルク帝国の首都として、周辺各国の宮廷料理・郷土料理が集まり発達した。
• カフェ文化も有名。ケーキ類は**ボヘミア地方（チェコ）**由来とされるものが多い。
● 代表料理
• ヴィーナー・シュニッツェル（仔牛カツレツ）パセリとバターをまぶしたジャガイモ添え
• ターフェルシュピッツ
└ 茹で牛肉＋リンゴのホースラディッシュ和え、ほうれん草ペースト、あさつき入りサワークリーム
└ 旨味の強い牛コンソメスープが添えられる
【ヴィーナー・ゲミシュター・サッツ（Wiener Gemischter Satz）】
ウィーンを代表する伝統的白ワイン。
• “混植・混醸”のフィールドブレンド。
• 使用品種例：
リースリング、グリューナー・ヴェルトリーナー、ピノブラン、トラミナー、ノイブルガー、ツィアファンドラーなど多数。
• もとはホイリゲ向けの日常ワインだったが、現在は高品質ワインとして国際的評価が高い。
②シュタイヤーマルク（Steiermark）州
オーストリア南部、スロベニア国境沿いの重要白ワイン産地。
オーストリア全体の中でも 白ワイン比率が約80％ と最も高い地域。
■ 3つの産地
① ズュート・シュタイヤーマルク（Südsteiermark）
• 丘陵と急斜面が続く風光明媚なエリア
• ソーヴィニヨン・ブランの銘醸地
• トラミナー、ヴェルシュリースリングも盛ん
② ヴェスト・シュタイヤーマルク（Weststeiermark）
• 黒ブドウ ブラウアー・ヴィルトバッハー から造る
シルヒャー（Schilcher） の本場
• 強い酸と個性が特徴
• スパークリングのシルヒャーも造られる
③ ヴルカンラント・シュタイヤーマルク（Vulkanland Steiermark）
• 火山性土壌
• パノニア気候と地中海性気候の境界
• 華やかでスパイシーなトラミナーで知られる
• ムスカテラー、シャルドネ、ピノブランなど多品種
■ ブッシェンシャンク文化（検定ポイント）
• ウィーンの「ホイリゲ」に対し、
シュタイヤーマルクでは “ブッシェンシャンク（Buschenschank）” と呼ぶ
• 伝統的な違い：
● ホイリゲ：温かい料理もOK
● ブッシェンシャンク：冷たい料理のみ
名物
• ブッシェンラウゼ（シャルキュトリー＋チーズ）
• パンプキンシードオイル
• ブルゲンラントのハム
■ 主な品種
• 白：ソーヴィニヨン・ブラン、トラミナー、ヴェルシュリースリング、シャルドネ、ピノブラン、ムスカテラー
• 黒：ブラウアー・ヴィルトバッハー（シルヒャーの原料）
■ 検定向けまとめ一言
• 白80％の南部産地
• 南＝SB、西＝シルヒャー、東＝トラミナー
• ブッシェンシャンク＝冷菜のみ
