🇪🇸 **スペイン南部地方(アンダルシア州・カナリア諸島)
ワイン検定用まとめ**
■ アンダルシア州(Andalucía)

● 地理・文化
• スペイン南部、地中海~ジブラルタル海峡~大西洋に面する
• 州都:セビリア(Sevilla)
• イスラム支配の影響が強く残る地域
• アルハンブラ宮殿など世界遺産
• フラメンコ、闘牛などの文化
• 農業:穀類、オリーブ、ヒマワリ。近年はイチゴ等の果物輸出が盛ん。
● 代表料理
• ガスパチョ、サルモレホ(トマトの冷製スープ)
• イベリコ豚「ハブーゴ(Jabugo)」の生ハム(DOP)
■ シェリー(Jerez-Xérès-Sherry)
● 産地と名称
• 生産地:アンダルシア州 カディス県
• 中心都市:

ヘレス・デ・ラ・フロンテラ
サンルーカル・デ・バラメーダ
エル・プエルト・デ・サンタ・マリア
→ この3都市で熟成されたものだけが D.O.シェリー を名乗れる。
・名称の語源
• アラブ人がこの地を Sherish と呼んだことに由来
• 英語化:Sherry
• スペイン語:Jerez(ヘレス)
• フランス語:Xérès(ケレス)
■ ブドウと土壌
● 主要品種
• パロミノ(Palomino):全体の約95%
• ペドロ・ヒメネス(PX)
• モスカテル
● 土壌
• アルバリサ(Albariza)
• 極めて石灰分が多く、真っ白な外観
• 保水力が高く、乾燥した気候で重宝
■ シェリーの造り方(基礎)
1. 白ワインを造る
2. 酒精強化(添加するアルコール量でスタイルが分かれる)
● 15%まで強化 → フィノタイプ
• フロール(酵母膜)下で生物学的熟成

• 酸化を防ぎ軽快でドライな酒質
● 17%まで強化 → オロロソタイプ
• 酸化熟成
• 濃厚で複雑、琥珀色〜マホガニー色
※ 熟成最低期間:法律は2年だが、実際は3年以上が一般的

■ シェリーの主要タイプ
■ フィノ(Fino)
• 色は淡く非常にドライ
• ヘレスまたはエル・プエルトで熟成
• ペアリング:フィッシュフライ、天ぷら
■ マンサニージャ(Manzanilla)
• サンルーカルで熟成されるフィノタイプ
• 海風の影響で塩味のニュアンス
• 独自のD.O.を持つ
■ アモンティリャード(Amontillado)
• フィノ熟成途中にフロールが消失し、その後酸化熟成
• 琥珀色、ナッツ香
• ペアリング:燻製、アジア料理
■ パロ・コルタド(Palo Cortado)
• アモンティリャードの香り+オロロソのボディ
• 非常に希少
■ オロロソ(Oloroso)
• 完全酸化熟成
• 力強い風味、マホガニー色
• ペアリング:煮込み、肉料理
■ ペドロ・ヒメネス(PX)
• PXを天日干し(アソレオ)して造る
• とても甘口、黒糖・干しブドウの香り
■ マラガ(Málaga)
• 歴史的な甘口ワイン
• シェイクスピア時代にイギリスで人気
• PX・モスカテルを用いる
■ シェリーの熟成法:ソレラ・クリアデラ方式
● 用語
• クリアデラ(Criadera)
• 「育てる」の意
• 上段ほど若いワイン
• ソレラ(Solera)
• 「床(スエロ)」に近い一番下の列
• 最も古いワインが入っている
● 方式
• 上段の若いワインで下段を補充していく
• 年ごとのヴィンテージを混ぜながら熟成が進む
• 独特の複雑味と一貫した品質を実現
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■ カナリア諸島(Canarias)
● 地理・歴史
• スペイン本土から約100km
• モロッコ沖に浮かぶ7島
• 古代〜大航海時代、多民族文化が混在
• 鳥のカナリアはここが原産
● ぶどうの特徴
• フィロキセラが未侵入 → 自根ブドウが今も残る!
• 土着品種が多い
• 白:リスタン・ブランコ(パロミノ系)、マルバシア、モスカテル
• 黒:リスタン・ネグロ、ネグラ・モルなど
● 歴史的な影響
• リスタン種は新大陸へ渡り、
• カリフォルニア → ミッション
• メキシコ → ミッション
• チリ → パイス
• アルゼンチン → クリオージャ
と名前を変えて広まった。
✔ 試験で特に覚えるべき8点
1. シェリー=アンダルシア州カディス県
2. 3都市(ヘレス/サンルーカル/エル・プエルト)で熟成したものだけがD.O.シェリー
3. 主要品種:パロミノ95%
4. 土壌:白いアルバリサ石灰土壌
5. 15%強化=フィノ/17%強化=オロロソ
6. マンサニージャはサンルーカル限定(独自D.O.)
7. ソレラ・クリアデラ方式=段階的補充熟成
8. カナリア諸島はフィロキセラ未侵入、自根ブドウが現存
