🇩🇪 ラインヘッセン地方(Rheinhessen)

📍所在地と概要
• 西はナーエ地方、北と東はライン川に接する、
ドイツ最大のワイン生産地域。
• 栽培面積:約26,617ha。
• 「千の丘の地方(Land der tausend Hügel)」として知られる丘陵地帯。
• 戦後の甘口ワインブームにより生産が拡大。
特に「リープフラウミルヒ(Liebfraumilch)」が世界的に流行し、
1980年代にはドイツワイン輸出量の約60%を占めた。
• その結果、「安価で甘いドイツワイン」というイメージが広まったが、
2000年以降は若手醸造家による品質重視の改革が進み、
リースリングやブルグンダー系などの高品質ワイン産地として再評価されている。
🌄 地形と気候
• ライン川沿いの温暖な気候と丘陵地の緩やかな傾斜が特徴。
• 年間降水量は少なく、日照時間も長いため、
安定したブドウの成熟が得られる。
• 多様な土壌(レス・砂岩・粘土質・石灰岩など)が、
ブドウの個性を豊かにしている。

🍇 主なブドウ品種
白ブドウ
• リースリング(Riesling) … 17%
• ミュラー・トゥルガウ(Müller-Thurgau) … 16%
• ジルヴァーナー(Silvaner) … 8%
• グラウブルグンダー(Grauburgunder/ピノ・グリ) … 7%
黒ブドウ
• ドルンフェルダー(Dornfelder) … 13%
• シュペートブルグンダー(Spätburgunder/ピノ・ノワール) … 6%
🏘 主な村・地区
• ニアシュタイン(Nierstein) – 赤い粘板岩“Roter Hang”の畑で有名。
• オッペンハイム(Oppenheim) – 歴史的なワイン村。
• ボルムス(Worms) – 「リープフラウミルヒ」発祥の地。

🏰 備考
• リープフラウミルヒの大量生産による評価低下から脱却し、
現在では**“新世代ラインヘッセン”**として高品質志向が定着。
• 若手醸造家たちはサステナブル栽培や自然派ワイン造りにも積極的。
• 地域の多様性が、ドイツワインの新たな魅力を体現している。