Fontana di Oliveワイン会の予習編❸
今回の「Fontana di Olive」のワイン会では
南部イタリアのワインに焦点を当てペアリングをしていこうと思います。
◎カンパーニア州③
グレコ・ディ・トゥーフォ ラリエッラ
2021 Greco di Tufo L’Ariella
砂岩が多くカルシウムが豊富な土壌を持つラリエッラの区画のブドウを使用。トロピカルフルーツや白桃、白い花の甘さの中に、石灰由来のミネラルが香る。凝縮感ある果実は柔らかく、豊かな酸とミネラルを包むようなボリュームがある。長い余韻には柑橘系の爽やかさも。グレコの力強く骨太な旨味が詰まったリッチな味わい。
産地 D.O.C.G. Greco di Tufo
ブドウ品種 グレコ100%
醸造・熟成 ステンレスタンクで発酵、3ヶ月熟成
アルコール度数 13.5%
Vinosia
カンパーニャ州の内陸部に広がる丘陵地帯イ ルピニアは、タウラジ、フィアーノ・ディ・アヴェッ リーノ、グレコ・ディ・トゥーフォという3つのDOCG を抱えるワイン造りの中心地域である。この地の ポテンシャルを世界に知らしめた先駆的存在、 フェウディ・ディ・サン・グレゴリオの設立者の一人 であるマリオ・エルコリーノは、同醸造所で醸造責 任者を務めつつ、自らのアイデアを表現できる新 たなを場探所していた。アブルッツォのファルネーゼが興した数々の共同プロジェクト にもエノロゴとして参加していた彼は、理想の土地を求めてイタリア各地のブ ドウを試食していたが、故郷のイルピニアを旅行中に口にしたブドウの香り高 さに衝撃を受け、この地で受け継がれてきた土着ブドウから頂点のワインを 生み出そうと決意。弟のルチアーノとともにサン・グレゴリオから独立し、2003 年にヴィノジアを設立した。
イルピニア全域に広がる所有畑は海抜400-700mに位置する。石灰や粘土 を含むミネラル豊富な古い火山性土壌の畑ではファランギーナ、グレコ、フィ アーノやアリアニコといった土着ブドウのみが栽培されており、この独特な土 壌に加えて海抜の高さと昼夜の寒暖差が大きい大陸性気候により、ヴィノジ アのワインの特徴であるエレガンスとミネラル感がもたらされる。
これらの恩恵を最大限ワインに反映させるため、それぞれのブドウに最適 な仕立てや植樹密度を考え、収量を制限し、ブドウが完璧に熟するまで待っ て手作業で収穫を行っており、特に黒ブドウにおいてはブドウの実だけでなく 茎まで成熟するよう注意が払われる。また、隣州のプーリアでも契約畑のブドウからワインを手掛けているが、ただブドウを買うだけでなく、クオリティを確 保するため自社畑と同じく栽培から深く関わっている。
醸造過程において彼らが最も重要視す るのは、ブドウの果実味をワインの中に完 全に移し、果実味の中にそれぞれのブドウ の特徴、ひいてはそのブドウが育ったテロ ワールを表現することである。土着ブドウ の個性と現代的な感性が見事に融合した ワインは非常にクリーンで美しい。既に、 サン・グレゴリオはもちろんマストロベラルディーノなど古参のトップ生産者に 並び、カンパーニャ最高のワインを手掛ける造り手の一人に数えられている。 サン・グレゴリオでの様々な革新的な試みの中で得た経験のおかげで直に満 足のいく結果が得られたというが、「すぐにそして普遍的に楽しめるワインを造ること」、「造り手の想いとテロワールが詰まったワインを飲み手により身近に 感じてもらうこと」を目標に、現状に慢心することなく更なる高みを目指してい る。