Fontana di Oliveワイン会の予習編❹
今回の「Fontana di Olive」のワイン会では
南部イタリアのワインに焦点を当てペアリングをしていこうと思います。
◎ラッツオ州(中部イタリア)
2021 Frascati Rubbie
バジリカータ州のマルヴァジア種との飲み比べの為、取り上げます。
クオリティにこだわり、品種別ではなく区画ごとに手作業で収穫したブドウをさらに選果し、ステンレスタンクにて低温発酵。柑橘類や洋ナシの瑞々しい香り。マルヴァジア・デル・ラツィオの華やかさ、マルヴァジア・ディ・カンディアのボディ、トレッビアーノ・トスカーノの繊細さと爽やかな酸、そしてグレコのストラクチャーが継ぎ目なく溶け込む混植・混醸ならではの味わいは、どんな料理にも寄り添う懐の深さとフレッシュさに満ちている。
産地 D.O.C. Frascati
ブドウ品種
マルヴァジア・デル・ラツィオ(マルヴァジア)50%、マルヴァジア・ディ・カンディア(マルヴァジア)20%、トレッビアーノ・トスカーノ(ユニ・ブラン)15%、グレコ15%
醸造・熟成 ステンレスタンクで発酵、澱と共に3ヶ月熟成
アルコール度数 12.5%
Casale Vallechiesa
現存数少ない伝統の混植混醸と、多彩な品種の個性が独特のハーモニーを生み出す。 フラスカーティの魅力である、ふわっと軽やかながら華やかさのある味わいが実現できる のは100%火山性土壌だから。ようやく見つけた、2つの条件が重なる希少な生産者。
『永遠の都』ローマを州都に持ち、ヨーロッパ各地にワイン文化を普及させ たローマ帝国の歴史を受け継ぐラツィオ州は、他州と比べて比較的なだらか な地形とティレニア海の影響を受けた温暖な地中海性気候を享受し、古代 ローマ時代からワイン造りが盛んであった。現在でもローマのすぐ南に広がるカステッリ・ロマーニ丘陵を中心にワイン造りが活発に行われており、白ワイン が州の総生産量の90%を占めている。
その中でもローマ法王が愛飲し、ゲーテが「楽園のようだ」と飲み心地に酔 いしれ、古くから広くローマっ子に愛されるフラスカーティは、ラツィオが誇る土 着ブドウを用いた白ワインの代表格である。柔らかな果実と細かな酸とミネラル 感が食欲を刺激し素材を際立たせ、料理を楽しむのに最良の友となる。
その魅力を生むのは、この地ならではの 火山性土壌と伝統の混植・混醸である。火 山性の凝灰岩からなる土壌はキメ細かく華 やかな味わいをもたらし、土に含まれる豊富 なカリウムが引き出す香り高さと高い糖度 は、10月まで続く天候に恵まれた長いブドウ の成熟期間により更に際立つ。また品種ご
と にではなく複数の品種が植えられた区画ごとに収穫・醸造する混植・混醸 でのワイン造りにより、単一品種では表現できない多彩なキャラクターが内包 され、品種別に栽培・醸造してブレンドするよりも個々のブドウのキャラクター がワインの中に絶妙に溶け込む。一見シンプルながらもどんな料理にも合う 接点を持つワインとなるのである。