ボルドーワイン③
■文化
古代ローマ時代から良港として知られたボルドーは、18 世紀に栄華を極め、黄金時代を築いた。ボルドー市 の市街区域は、2007 年「月の港ボルドー」としてユネスコの世界遺産に登録されている。
ドルドーニュ川右岸に位置するサンテミリオンは、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の途上に あり、今なお中世の面影をとどめることから、1999 年に「サンテミリオン管轄区」の名前で世界遺産に登録 された。
ボルドーはルネサンス期の哲学者モンテーニュ(Michel de Montaigne/1533-1592)、啓蒙思想家のモンテス キュー(Charles-Louis de Montesquieu/1689-1755)を輩出した地であり、グラーヴ地区にはモンテスキュ ーが生まれ数々の著作を執筆したラ・ブレード城が今も残っている。
モンテーニュの著書「随想録(エセー)」は後の文学の「エッセイ」の元となった。 モンテスキューは著書「法の精神」で法の権力の分化(三権分立の基礎)を説いた。
フランス革命時には裕福なブルジョワ議員を輩出し、国民公会では穏健右派のジロンド党を形成した。
ボルドーにはブドウ栽培学、ワイン醸造学のシンクタンクともいうべき、ボルドー大学醸造学部があり、世界中のワイナリーの子弟が学びに訪れるほか、最先端の研究が行われている。
2016 年にはワインのテーマパーク「ラ・シテ・デュ・ヴァン(La Cité du Vin)」がオープン。ボルドーはワイン文化の世界的首都として、ふたたび注目を集めている。